速度が60kmしか出ないハイエースの修理

「最高速度が60キロまでしか出ないんです!」
と、お困りのお客様よりお預かりしました、こちらのハイエース。
平成20年登録で20万キロ走行されています。
エラーが出ているので確認します。

2つのエラーが出ています。
まず、下段の“EGR流量異常“についてですが、
EGRとは・・・?
聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、
実は


何がECOなのか?というと、
燃料の燃焼温度を抑え、
光化学スモッグ、酸性雨の原因となるNOxの発生を低下させるという装置なんです。
排気ガスの一部を吸気系に再循環し、燃料の燃焼に使うのですが、
酸素を含まない排気を混ぜる事で、燃焼温度が高くなることを防ぎます。
排気を利用するとは、よく考えられた装置ですね。
さて、このEGRの流量異常を早速調べます。
EGRを取り出してみると、
外側は綺麗な状態ですが、
中にはススが積もった状態ですね。
そして、錆も確認できます。↓↓

錆があるということは、もしかしてその手前側に問題がある?
と思い手前にあるシャッターボディを確認しました。
↓シャッターボディがこちら↓

こちらもべったり汚れがついています。
シャッターボディとは、
排気を冷やす為の装置で、クーラント(不凍液)により冷却されるのですが、
何かしらの原因で水分を持ち、EGRにサビが回ったのかもしれません。
更に・・・EGRで冷やした排気をエンジンへ送り込む
この長いインテークマニホールドもこのようにススで汚れています。↓↓

これらの部品を全て掃除して、キレイになりました




これで排気の流れはスムーズになりそうです。
そして、もうひとつのエラーは
“VNターボノズル機構摺動異常”
と、難しい言葉ですが、ターボのエラーです。
このお車のターボは、吸気圧により出力を変えるタイプのターボなのですが、
吸気量が目標値に達しないため、作動しないという不具合が起きていました。
スピードが出ないのはこのエラーも影響していたんですね。

通常はターボを丸ごと交換しないといけないのですが、
価格が20万ほどする高額な部品なので

もし直ればと思い、分解してみたところ、
修理する事ができました

これで部品を全て車に戻して、
エラーが消えるかを確認します。
エラーが無いことを確認したら、試乗にGO!
スピードも出るようになり快適な走行になりました

このようにディーゼル車の場合、
排気と一緒にディーゼル微粒子も混ざるので、
ススがが溜まる事は仕方がないことだそうです。
定期的な点検とメンテナンスが必要ですね。
どうぞお気軽に当社へご相談下さい。
